プログラムによる計測・制御の学習の動向を憂う



技術・家庭科では
  ・のこぎりやかんなを使用しますが、切削のしくみから学ばせます。
  ・電気エネルギーの利用や原動機について学習しますが、エネルギー変換のしくみから学ばせます。
  ・栽培をしますが、その土や肥料のはたらきから学ばせます。

 しかし、今回の教科書から「プログラムによる計測・制御」では
アイコンを並べるプログラムで、動くおもちゃを動かすということに重点が置かれてしまい
その動作のしくみについては触れられていません。

コンピュータは
  ・0と1の信号を入出力し
  ・それによって色々なものを制御できる
という道具として特異な存在です。
しかし、今回の教科書では、コンピュータの道具としての汎用性を確かめる実習はうすめられました。

 アクチュエータの例として、モータ、LED、電子ブザが挙げられているのに
実習例は動くおもちゃ(それも市販品とは)がほとんど。

 コンピュータからON−OFF信号が出されて
  ・LEDが点滅したり
  ・音が鳴ったり
  ・モータが動く(前進し、後退し、回転する)
ということには全く触れられていません。

 同じく、センサからのデータ処理の方法も記述されていません。

 動く模型は、プログラムによって、なぜ前進後退したり回転するのかも学ばずに、
ただアイコンを並べてアルゴリズムの学習だけをすることは
  ・のこぎりで木材を切って作品をつくる小学校の図画工作
  ・種を蒔いてミニトマトを育てる小学校の生活科の学習
などと同列で、中学校における技術・家庭科の学習ではないと思っています。

 皆さんは、どう感じておられますか。