プログラムによる計測・制御に関する
学習指導要領と解説
■学習指導要領
- (3) プログラムによる計測・制御について,次の事項を指導する。
- ア コンピュータを利用した計測・制御の基本的な仕組みを知ること。
- イ 情報処理の手順を考え,簡単なプログラムが作成できること。
■学習指導要領解説
ここでは,計測・制御のためのプログラムの作成を通して,コンピュータを用いた計測・制御の基本的な仕組みを知り, 簡単なプログラムの作成ができるようにするとともに,情報処理の手順を工夫する能力を育成することをねらいとしている。
- ア コンピュータを利用した計測・制御の基本的な仕組みを知ること。
- 計測・制御システムは,センサ,コンピュータ,アクチュエータなどの要素で構成されていることや,計測・制御システムの中では一連の情報がプログラムによって処理されていることを知ることができるようにする。
また,センサから入力される信号や,アクチュエータに出力される信号はいずれもアナログ信号であり,コンピュータが記憶・演算できる情報はディジタル信号であることから,計測・制御システムの各要素において異なる電気信号(アナログ信号とディジタル信号)を変換し,各要素間で情報の伝達が行えるようにするためにインタフェースが必要であることも知ることができるようにする。
例えばエアコンディショナなどコンピュータによって環境の状況を計測し機器の動きを制御している身の回りの機器を取り上げ,人間の目や耳の代わりに機械や環境の状態を計測している部分やどのように処理・判断しているかをプログラムやインタフェースの役割とともに知ることができるようにすることが考えられる。
- イ 情報処理の手順を考え,簡単なプログラムが作成できること。
- 情報処理の手順には,順次,分岐,反復の方法があることを知ることができるようにする。また,目的や条件に応じて,情報処理の手順を工夫する能力を育成するとともに,簡単なプログラムを作成できるようにする。
この学習では,プログラムの命令語の意味を覚えさせるよりも,課題の解決のために処理の手順を考えさせることに重点を置くなど,コンピュータを用いた計測・制御に関する技術の目的を意識した実習となるよう指導する。
また,情報処理の手順を考える際に,自分の考えを整理するとともに,よりよいアイディアが生み出せるよう,フローチャートなどを適切に用いることについて指導する。
情報処理の手順の工夫については,内容「Bエネルギー変換に関する技術」の(2)で製作した作品や,内容「C生物育成に関する技術」の(2)における温度などの生育環境を管理する装置等,センサからコンピュータ,そしてアクチュエータという情報の流れを生徒が理解しやすいものを計測・制御の対象とし,目的を達成するために,センサからの入力に応じて適切にアクチュエータに出力できるようにすることが考えられる。